ページトップ

目次

2015.09.08

vol.61  Hotel Okura 本館閉館

2015年8月31日を以って、
建て替えのために閉館となったホテルオークラ東京の本館。
私の人生の中でもっとも多く訪れたホテルであり、
一番大好きな、そして一番思い入れのあるホテル。
思い出があり過ぎて、何からお話し始めればよいのやら、逡巡しています。

先日、閉館前に、本館の『テラスレストラン』にお別れをして来ました。
ロビーには、同じような思いを抱く人、人、人・・・。
オークラランタンを背に、記念撮影をする方々が引きも切りません。

オークラのレストランといえば、
少し背伸びをして、『さざんか』の鉄板焼きや、
『山里』の和食をいただくこともありましたが、
もっとも多く訪れたのは、1階の『テラスレストラン』です。

61-01.jpg

お友達と、
「軽くごはん・・・?」
「お茶でもする?」
「待ち合わせは、じゃあ、テラスで・・・」と
10代の頃から、折につけ、
利用させていただいていた場所。

時々浮気をして違うメニューを頼んでも、
あとで後悔することは目に見えているので、
ほとんど毎回オーダーしたのがこの「3点セット」、
"パリソワール"
"ビーフストロガノフ"
"レモンパイ" です。

ウン十年と食べ続け、
よその三ツ星レストランでどんなにグルメ三昧を
しても、やっぱり安心するオークラの変わらない
お味。
お庭を眺めながら、鉄板メニューをこの日もいた
だき、4年後に再びいただくことを祈ってお別れ
をしました。


思い返せば、短大卒業の謝恩会もオークラでした。
『平安の間』『曙の間』といった、大きなバンケットルームでの結婚披露宴には、
ざっと数えただけでも両手の指では足りないほど出席・・・と、
私の青春はホテルオークラと共にありました!(笑)
(いえ、ここは(泣)と書くべきでしょう。)

プライベートのみならず、
The London School of Flowers by Jane Packer時代、
ジェーン・パッカーウェディングの立ち上げに関わり、
また、レディースサークルでは、
20年にわたってレッスンをさせていただきました。

特に、後半の13年は、独立した私に、
「三代川先生についている生徒さんですから・・・」と、
講座を続けさせていただいたことは、
私の一生の宝・・・

長いお付き合いの生徒さん達とは、
もはや、家族、姉妹のような思いがします。


         〇〇〇      〇〇〇      〇〇〇      〇〇〇    〇〇〇


さて、レディースサークルでの最後の数回のレッスンを
久々に、ご紹介させていただきますね。

7月は恒例のアーティフィシャルフラワーのレッスン

少し前に手に入れていた、リボンをどうにか利用できないか・・・と考え、
福岡のカルトナージュサロン『Cossinelle』主宰の生徒さんにお願いして、
マガジンラック風のボックスを作っていただきました。

61-02.jpg 
カルトナージュは、通常、布を貼って作るのだと
思いますが、『WALPA』ウォールペーパー
使うことを思い立ち、手持ちのリボンに見合うペーパーを探しに行ったところ、リボンと同じグレーと
シルバーの組み合わせ、リボンのモチーフの一つ、クロスがペーパーにも描かれていること、などが、まさに、ドンピシャのウォールペーパーが見つかりました!


61-03.jpg
結果、出来上がったのがこのボックス。

お花をアレンジせずに、
このまま使いたいくらいです。



当日のレッスンでは、
「ホワイト~グリーン系」、「ピンク系」、「グリーン~パープル系」の3種類から
ご希望の色合わせを選んでいただきました。

いつも言っていることですが、
長く飾るアーティフィシャルフラワーのアレンジメントこそ、
お好みの色合いや、お宅のインテリアに合うものを
お選びいただきたいと思いまして・・・。

61-04.jpg


61-05.jpg


一番人気は、やはりピンク系
半数以上の方がお選びになりました。

バラダリアシャクヤクラナンキュラスアジサイ・・・、ピンクとグレーは好きな組み合わせのひとつです。


61-06.jpg
ホワイト~グリーン系の爽やかなアレンジメント。

こちらは、もう1種のリボンを使ったボックスです。
ベージュベースに、ゴールドの刺繍が施されたもので、このリボンには、ラメが光るペーパーを選びました。
ボックスの全景をお見せ出来なくて残念!

ライラックバラトルコキキョウアネモネアジサイカーネーションなどを使用しました。



61-07.jpg
グリーン~パープル系も私のお得意?! の色合わせ。

ダリアトルコキキョウアネモネカーネーションアジサイスイトピー・・・、クオリティの高いアーティフィシャルフラワーは本当にリアルです。



         〇〇〇      〇〇〇      〇〇〇      〇〇〇    〇〇〇


遡って・・・
2月のレッスンは、蓋つきの楕円形のバスケットのアレンジメントでした。

色とりどりの春のお花・・・スイトピーチューリップラナンキュラスなどを
バスケットにこんもりとアレンジしてみました。(写真左)

この蓋つきのバスケットには丸い形もありまして、
桃の御節句の時にご依頼でお作りしたのが、右下のアレンジメント。
アーティフィシャルフラワーを使っています。(写真右)

61-08.jpg  61-09.jpg



61-10.jpg


4月は、ガラスの花器を使ったデザインです。
グリーンホワイト、2色からチョイスしていただき
ました。

バラトルコキキョウビバーナム
ブバリアバイモユリなど、花器同様、
爽やかなグリーン~ホワイト系のお花の組み合わ
せです。

特に、正面にあるクリスマスローズがイチオシ!
のレッスンでした。



実はこの花器、その名もトーチグラスと呼ばれるもので、
まさに、トーチのように逆さにしても使えるとのこと。
早速、ご依頼頂いたギフトアレンジメントに使用してみました。

濃いピンク系のアレンジメントは、プリザーブドフラワーがメイン、
ホワイト系はアーティフィシャルフラワーを使っています。

61-11.jpg 61-12.jpg
61-13.jpg 61-14.jpg


61-15.jpg


5月のレッスンは、ガラスの花器を使った
アレンジメント

このお写真では隠れてしまっていますが、
グレーのグラデーションが美しい壺型の
花器です。

この季節ならではのコーラルのシャクヤク
をメインにした、アシンメトリーのアレンジ
メントをレッスンしました。


こうして振り返ると、その時々の思い出が溢れます。

さて、今日はこれから、オークラの生徒さんをお招きした「感謝の会」。
『富麗華』の中華をいただいてきます。




( END )



関連書籍

パリ一週間 花と雑貨を探す旅プラン

パリ・ロンドン一週間
花と雑貨とおいしいものを探す旅

パリ一週間 花と雑貨を探す旅プラン

パリ一週間
花と雑貨を探す旅プラン

パリ一週間 花と雑貨を探す旅プラン

英国スタイルのフラワーアレンジメント

プロフィール

三代川純子

フラワーデザイナー

三代川純子

三井物産株式会社人事部勤務中に恵泉フラワースクールで学び、退職後、フラワーデザインを学ぶため渡英。

「コンスタンス・スプライ」「ジェーン・パッカー」などにてディプロマ(卒業証書)を取得した後、英国王室御用達フローリスト「エドワード・グッドイヤー」にて修業。
また、パリのフルリスト「パトリック・ディヴェール」「リリアンヌ・フランソワ」にても研修を行う。

フラワーデザイナーとして、雑誌「花時間」などで多くの作品を発表するかたわら、ホテルオークラ レディースサークル(現在、ホテルオークラ本館建て替えのため休会中)では、ヨーロッパで自ら買い付けて来た資材を使いレッスンを行っている。

また、「Hanahiroプリザーブドフラワー・アカデミー」の主任講師も務める。